ASF・CSFとは?
CSFとは
CSF(classical swine fever/豚熱・豚コレラ)は、CSFウイルスの感染による 豚とイノシシに感染するウイルス性伝染病です。強い伝染力と高い致死率が特徴で、家畜伝染病予防法において家畜伝染病に指定されています。
アジアにおいては日本を含むすべての国で発生しており、その他欧州・アフリカ・南米の一部の国々でも発生が確認されています。日本では平成30年9月に岐阜県で発生して以来1府8県で発生、これまでに16.4万頭が殺処分となっているのが現状です。(令和2年2月現在)
国内での発生状況
・1例目 … 2018/9/9 岐阜県岐阜市にて発生
(その後、愛知県→長野県→大阪府→滋賀県→三重県→福井県→埼玉県→山梨県→沖縄県へと拡大)
・58例目 … 2020/3/12 沖縄県うるま市にて発生
(2020/3/26現在・農水省HPより)
ワクチン接種済み農場での発生
・51例目 … 2019/12/17 愛知県田原市にて発生
当該農場では同年11月2日に農場内全ての豚にワクチンを接種し、後日追加接種もされていました。ところが感染したのは約30日齢であった為にワクチン接種前の子豚でした。遺伝子解析が行われた結果、このウイルスはワクチン由来ではなかったことが判明しています。
(農業協同組合新聞web版より抜粋 リンク先/ https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2019/12/191218-39923.php)
沖縄県での発生状況
・52例目 … 2020/1/8 沖縄県うるま市にて発生
本年1月に沖縄県では初めてCSFの感染が確認されました。沖縄県を初め、国内の多くの農場では食品残さ(廃棄食品)を飼料として利用しており、本例の要因も、CSFに感染した豚肉を含む廃棄食品を非加熱で給餌していたことによるとみられています。
基本的に感染した豚肉は流通されませんが、症状が表れる前か、ワクチン接種をしても効かなかった豚の製品が流通した可能性があります。本件以外にも、同じ様に非加熱のまま廃棄食品を飼料として給餌していた養豚場での発生が確認されています。
また、沖縄県ではCSFの陽性反応が出た野生いのししは見つかっておらず、こうした非加熱の廃棄食品の利用や、車両等の消毒の徹底が不十分であったことによるウイルスの侵入・拡大が指摘されています。
ASFとは
ASF(African swine fever/アフリカ豚熱・アフリカ豚コレラ)は、CDFと症状が酷似しているものの、異なるウイルスによって感染する病気で、非常に強い感染力と致死率を特徴とし、豚やいのししなどのイノシシ科動物が感染するウイルス性伝染病です。CSFとは違い、まだ有効なワクチンや治療法が確立されていません。アフリカや欧州の一部の国々で発生し、アジアでは平成30年8月に中国での発生が確認されて以降、近隣各国へ感染が拡大、継続中です。日本での発生はまだ報告されていません(令和2年3月現在)。
予防的殺処分
ASF対策として、家畜伝染病予防法改正に先行する形で、本年1月30日に≪予防的殺処分≫を可能とする法案が成立しました。これにより、国内でASFの感染が確認された場合に、最大で半径3キロ圏内(最小で半径500メートル)での〝予防的殺処分″が実施できるようになりました。
水際対策の強化
ASFへの水際対策を強化するための改正法が本年3月27日に可決・成立しました。国内へのASFウイルスの侵入を防ぐため、空港や港での水際対策にあたる家畜防疫官の権限の強化(強制的な手荷物の検査や違法な肉製品の破棄など)や、発覚した場合の罰金の引き上げ(個人では従来の3倍にあたる300万円以下・法人では50倍の5000万円以下)などが盛り込まれています。
ASFやCSFの人への影響はありません
ASF・CSFともに人への感染はなく、感染するのは豚とイノシシのみです。またCSFfであると確認された豚が市場へ流通することはありませんが、万が一口にすることがあっても人体への影響はありません。
ASFとCSFの比較
(出典 農水省HP)
本文中参照・抜粋リンク先