循環経済新聞 令和2年5月11日(月)付 掲載記事から引用。
飼料安全法に基づく食品残さ等利用飼料(エコフィード)の新たな加熱処理基準について、農林水産省が4月15日に開催した第51回農業資材審議会飼料分科会での審議の内容について報じている。
これまでエコフィードの安全確保対策の中で指導されてきた『原料に生肉等を含む可能性がある場合の加熱処理(中心温度70℃以上30分以上等)』の条件は、一昨年よりアジアを中心に世界各国で猛威を振るっているASF(アフリカ豚熱)対策に万全を期すという観点から、飼料安全法の成分規格等省令の改正と合わせて『見直し』を行うに至った。
『循環経済新聞』令和2年5月11日4面
なお、本年3月9日付で公布されている家畜伝染病予防法施行規則の飼養衛生管理基準では、すでに同内容を盛り込んだ改正が行われている。
“OIE(国際獣疫事務局)が策定した国際基準『90℃以上60分以上』と同等以上の効果を有する加熱処理条件”について、当該記事によると
“分科会は『95℃以上19分以上』または「100℃以上6分以上」とする事務局案を妥当とした。”
同上4面
と報道されている。
上記の基準案の設定にあたっては、食品衛生法の規格・基準における食肉の加熱殺菌条件の設定と同様の考え方で、特定温度の加熱で生菌数を10分の1まで減らすのに必要な温度幅(Z値)を用いて算出したとのこと。
当協議会から農林水産省へ問い合わせたところ、正式な飼料安全法の成分規格等省令改正は、パブリックコメントを本年6月中に予定しており、それを経て7月頃には公布され、飼養衛生管理基準のエコフィード加熱処理基準とともに令和3年4月に施行される予定とのこと。
一方で、“交差汚染”については現時点では未だ不明瞭と感じる部分がある。
令和元年12月10日〜令和2年1月8日まで行われた家畜伝染病予防法施行規則の一部改正案についてのパブリックコメントに対する回答の中で、
とある。
ここでの意見回答にある『交差していないことが確認できる』とは、“肉を扱う施設・ライン”から出たあとの運搬中、到着時、保管時の扱いなど、果たしてどこまで具体的に新たなガイドラインで明示していけるのか。
この件については、本年7月に予定されている『食品残さ等利用飼料における安全性確保のためのガイドライン』で詳細が示される予定とのこと。
当協議会では引き続き、今後の動向を追っていく。